「NewsPicks」が圧倒的にずば抜けたメディアモデルだと思う6つの理由

私自身WEBメディア編集長であるため、日本や世界のWEBメディアの動向について注視しているのですが、 マネタイズ方法やメディアモデルとして圧倒的にずば抜けていると思っているのが「NewsPicks(ニューズピックス)」です。 WEBメディアが台頭する中、NewsPicksはこれからのWEBメディアの成功モデル(模範)になる存在と勝手にリスペクトしています。 なぜそう考えるのかについて、優れている点(というか真似したい点)をまとめたいと思います。

1.プラティッシャーで注目を集めるメディアモデル

NewsPicksは、いわゆる「プラティッシャーモデル」といわれます。 プラティッシャーとは、プラットフォームとパブリッシャーをかけ合わせた造語です。 プラットフォーム型とは、記事を作るよりも外の様々なメディアの記事を集めて配信する他者依存モデル。キュレーションメディアと呼ばれるのがこれにあたります。 一方、パブリッシャー型とは、自前で記事を制作し発信しているメディア。新聞社など一次情報を取材し記事にしているのがこれにあたります。私が運営しているローカルメディアもこれにあたりますが、やはりコンテンツ流通力ではプラットフォームには負けます。 プラティッシャーとは、この両面を併せ持つメディアモデルのことで、他のメディアから記事を集めて配信しつつも、自らも独自の取材記事を作って配信するモデルということになります。
プラットフォーム+パブリッシャー=プラティッシャー
NewsPicksはこのプラティッシャーモデルにあたり、日本国内では数少ない成功例として注目を浴びています。 他の提携メディアの国内外の最新記事を配信しつつも、独自のコンテンツとして特集やインタビュー記事を混ぜ込んでいるわけです。 東洋経済オンラインも同様。外部メディアの記事配信にとどまらず、外部コラムニストの寄稿や東洋経済記者の取材記事による記事が中心になっています。 最近ではYahoo!Japanも、本来プラットフォーム型でありながらオリジナルコンテンツを増やしてきていて、プラティッシャーモデルになろうとしているように感じます。

2.サブスクリプションモデルが成功

外部からの配信記事で成り立っているプラットフォーム型だと、有料課金は意味がありません。 外部メディアに元記事を見に行けばよいわけなので。 パブリッシャー型では、冒頭だけをフリーで読めるようにして「続きはこちら」と有料課金させる仕組みを導入している例があります。新聞社のWEBサイトではどこもそうなのではないでしょうか。 したがって、有料課金するサブスクリプションモデルを成立させるには、オリジナルコンテンツが必要です。 NewsPicksは両方のバランスをうまく配していて、プラットフォームとして他メディアの記事を配信するほか、パブリッシャーとして相当数の独自コンテンツを有料課金制で配信。ついつい続きを読みたくなって課金してしまいます。 というか当初からユーザー数を追って広告収入を目指すのではなく、ファンから徴収する課金型モデルの構築を目指していました。それがうまくはまっています。 有料会員数は73,000人を超えていて、右肩上がりです。

(2018年第2四半期のIR情報からの転載)

とはいうものの、広告収益もなかなか売り上げがあります。 有料課金売上と広告売上の割合はほぼ同じくらいですね。 どちらか一方に頼らないバランス感覚も考えられているのではないかと思います。

(2018年第2四半期のIR情報からの転載)

3.著名人のコメントもコンテンツにする

著名人や専門家が記事に対してコメントするのもNewsPicksの特徴です。 コメントすると同時にSNSにも投稿されるので、どんどんシェアされていく。そしてPV数が増える。 例えばホリエモン。毎日のように記事に対してコメントして拡散されていっています。 これだけ継続できるモチベーションもすごいなと思うわけですが、 恐らく彼らの琴線に触れるコンテンツが多く集まっているからではないかと思っています。

4.アプリに固定ファンが付いているメディア

アプリと親和性が高いのは、どちらかというとパブリッシャーモデルではなくプラットフォーム型のキュレーションメディアです。 例えば、Yahoo!Japan、Gunosy、SmartNewsといったプラットフォーム型が強い印象があります。 一方で、パブリッシャーモデルだと、そこまでアプリを利用する必要性を感じません。 例えば、1日10本の記事を発行するとして、別にアプリをインストールしなくても、WEBサイトにアクセスして読めばよいわけですから。 私たちの運営するWEBメディアもパブリッシャー型なので、アプリの必要性をあまり感じていません(一応、アプリはありますけど、あまり宣伝もしていません)。 NewsPicksがすごいのは、オリジナルコンテンツを生成しながらも固定のアプリ利用者がついていることです。 日本国内ではそんなに例は多くないはずですが、 それが実現できたのも、配信記事が多く、更新頻度が高く、著名人のコメントによるコミュニティが成立しているからだと思っています。

5.オリジナルコンテンツの質が高い

NewsPicksのスポンサードコンテンツは、有料課金に負けないほどの収益を上げているようです(前述の通り)。 スポンサードコンテンツが好調だからか、オリジナルコンテンツにもしっかりとお金をかけられているのが、オリジナルコンテンツを見ていると伝わってきます。 例えば、特集。 予告編は無料で全文読むことができますが、導入の文章とともに、これから続く全8回くらいの記事の紹介文を掲載しています。 当然、1回目以降は有料課金。この予告編やプロローグを読めば、課金してでも読みたくなります。
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これらは、NewsPicks編集部によるオリジナル特集。 専属の経済記者が話題の業界や企業を深堀りした記事を掲載しています。

6.クリックしたくなるサムネイルデザイン

NewsPicksのオリジナルコンテンツのサムネイルデザインをぜひ見てほしいのですが、 雑誌の表紙のようなサムネイルや、興味を引く文字をうまくデザインしたサムネイルが使われているのがわかります。

PC版のバナーデザイン

スマホアプリ版のバナーは書籍・雑誌の表紙風

オリジナル記事の最下部の署名欄を見ると、執筆者のほかに、デザイン、バナーデザインの担当者もそれぞれ記載されています。 記事の内容はもちろん質が高いのですが、デザインにも力を入れていると見てよいと思います。 サムネイルデザインに力を入れていると感じているメディアとしてはほかに、20代のビジネスマン向けのWEB媒体「新R25」があります。 WEB記事の場合、タイトルとサムネイルしか読者にとっては判断基準がないので(SNSでの口コミは除く)、タイトルをいかにキャッチ―なものにするか、サムネイル画像をいかに目を引くデザインにできるかが重要なのではないかと考えています。 ただ写真をそのままサムネイルにするのではなく、ちょっと手間をかけて文字を入れたり、イラストにしたりするだけの価値はありそうです。

まとめ

プラティッシャーモデルを実現するの簡単ではないと思います。 NewsPicksの追随メディアが出てきていないことが何よりもの証拠です。 でも、WEBメディアを進化させていく、クオリティを上げていく、読者のためのメディアにしていくうえで、 NewsPicksの戦略はヒントになるのではないかと思います。 例えば、最後に挙げたサムネイルデザインをしっかりしているWEBメディアは少ないと感じますから、 ここからでもやってみるのはよいのではないかと思います。 是非参考にしてみてください。

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